電力会社の変電所
付近一帯の特別高圧系並びに配電系の全ての負荷の電圧低下現象の防止に効果的です。
装置の概要と特長
三相変圧器の励磁突入電流現象は、課電直前に各相鉄心に残る残留磁束と課電直後の系統電源電圧によって誘起される初期励磁磁束の極性並びに絶対値の不一致によって生じますので両者の不一致を局限することによって励磁突入電流現象を抑制することができます。そのためには変圧器が遮断器の開操作によって解列されるときにその各相鉄心に残される残留磁束の極性及び絶対値を正しく把握することが 励磁突入電流現象抑制のための最重要の技術的着眼点となります。
変圧器解列時に生ずる残留磁束値は、遮断器による変圧器解列瞬時の磁束値ではありません。遮断直後に生ずる磁束の過渡現象の終息値が残留磁束となります。そこで本装置は変圧器の電圧(VT出力電圧)の時間積分により変圧器解列直後の鉄心磁束の過渡現象波形とその収束値としての真の残留磁束をデジタル的に演算記憶しておき、次に変圧器課電時の遮断器投入位相角タイミング制御により励磁突入電流現象を効果的に抑制するものです。
製品説明
変圧器の定格事項(容量・電圧・結線方式・インピーダンス等)に制限はなく、いかなる変圧器にも適用可能です。また遮断器の種類・母線回路構成等による制限もありません。
必要な入力は当該変圧器の高圧側または低圧側の三相VT電圧および遮断器補助スイッチのみです。また出力信号は遮断器の最適投入位相角で動作するタイマースイッチのみです。入出力インターフェースが極めてシンプルでチューニングも必要ありません。
VT信号を入力として変圧器解列時の各相電圧波形とその積分値としての磁束波形をリアルタイムで演算生成し、さらに次回再課電の時の最適投入位相角を算出するデジタル演算部からなる回路基板部が装置の中枢部を構成しております。したがって事実上の無保守・無点検での運用が可能です。
